便秘でお困りの方へ
便秘でお悩みの方は意外と多いですが、恥ずかしさからなかなか相談出来ず、便秘を放っている方が多くいます。便秘は体質だけの問題ではなく、何らかの異常や疾患が原因であることがあります。通常、排便は1日1回あるいは数日に1回など一定のペースで起こります。
一方、便秘の場合、腸内に便が長く溜まった状態で排泄されません。便秘は適切な治療を行うことで、深刻な疾患を未然に防ぐこともできます。
当院では、患者さんのプライバシーに十分配慮して診察を行っております。便秘に関してお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
便秘について
通常は毎日排便がありますが、3日以上排便がない、あるいは排便があっても残便感がある、すっきりしない、硬くて少量の便しか出ないなどの症状がある場合を便秘とします。また、服薬しないと排便できない、お腹が張る、腹痛が起こる、強くいきんでも排便できないなど、すっきりしない排便状態も便秘と診断されます。
便秘の原因
大腸に届いた食べ物は、そのほとんどの水分が大腸に吸収され、残りが便として排出されます。この時の水分が約60~70%あれば排出されやすい便の状態(硬さ)となります。大腸で吸収される水分が過剰になることで、便が硬く排出しにくくなってしまいます。さらに、腸の蠕動運動機能が低下したり、括約筋機能が低下して緩まると大腸から肛門へ便が送られなり、便が長く大腸内に滞在してしまいます。
また、大腸ポリープやがんを発症している場合は、狭窄が起こるなどで便が通過しにくくなります。単に便秘といっても深刻な疾患の症状として現れることもあるため注意が必要です。
便秘の原因は、上記のような何らかの疾患が原因であるほか、不規則な食事習慣や偏った栄養バランス、過度のストレス、運動不足などの生活習慣などが原因となることがあります。便秘の原因を特定するためにも、便秘でお困りの方はまずは当院までご相談ください。
便秘の検査
まずは問診を行います。患者さんの便の状態、色や硬さ、性状、痛みの有無などについてお伺いします。さらに、既往症や服薬、食事習慣、生活習慣などについても丁寧に伺います。必要に応じて、医師による触診、大腸カメラ検査、腹部X線検査、腹部CT検査などを行います。
特に、大腸カメラ検査では、大腸全域の粘膜を直接観察でき、腸の狭窄やねじれ、粘膜の炎症、ポリープなど微細な病変を発見できます。
なお、検査の途中でポリープなどを見つけた場合は、その場で切除治療が可能です。その他、出血部分に対しては止血などの対処もできます。
便秘の治療
食事療法・運動療法
便秘は、食事習慣や運動習慣などの生活習慣を改善することで改善を図ることができます。腸機能を活発に促進させるためには、食物繊維や水分をしっかりと摂取する、規則正しい食事、栄養バランスの良い食事などを心がけることが大切です。
また、運動不足によって腸機能が低下することがあるため、適度な有酸素運動を行うことで便秘解消に繋がります。ウォーキングは便秘に有効ですので、毎日歩くことを意識するのもお勧めです。加えて、ラジオ体操やストレッチなど身体をほぐす動きも有効です。
生活習慣の改善
便秘改善には、食事・運動・睡眠について、規則正しく習慣付けることは欠かせません。寝る時間、起きる時間、食事の時間、運動の時間など、ご自身のライフスタイルに合わせて時間を決めておくと排便習慣が定着します。
なるべく便意を我慢せず、すぐにトイレに行くことも大切です。当院では、患者さんに適した生活指導を行っております。便秘改善のためにも、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
薬物療法
食事習慣や運動習慣の改善を図りながら、それでも解消できない頑固な便秘については薬物療法を行います。便秘薬は市販の下剤など豊富にありますが、便秘の状態に応じて適切に治療を行うためにも、医師の診断を受けた上で服薬することをお勧めしております。
当院では、患者さんの体質やライフスタイルなどに合わせて、漢方薬も処方しております。つらい便秘から解放されるためにも、適切な診断と治療が重要です。便秘にお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。
文責:さっぽろ白石内科消化器クリニック 院長 高橋祥