大腸ポリープ

大腸ポリープ切除

大腸カメラ検査で、大腸ポリープを発見した場合は、その場で切除します。内視鏡スコープの先から出したスネアというワイヤーをポリープの根元で締めて焼き切ります。
当院では、大腸ポリープ除去治療の日帰り手術を行っておりますが、ポリープの大きさや数、形状によっては別日に入院での処置が必要となります。

大腸ポリープができやすい原因

食生活の欧米化

 

昨今、日本人の食習慣が欧米化していることで、大腸がんの発症率が急速に高まっています。高カロリー・高たんぱくの食事によって、大腸がんの発症リスクが高くなります。大腸ポリープや大腸がんの発症を防ぐためには、食物繊維など野菜を多く摂取することが非常に重要です。

遺伝的要因

大腸がんには、遺伝的要因の場合があります。家族親族などに大腸ポリープや大腸がん罹患者がいる場合は、大腸がんを発症するリスクが高いと考えられています。
特に、大腸がんは早期段階での自覚症状がほとんどありません。定期的に大腸カメラ検査を受けることで早期発見できるようにしていきましょう。

大腸ポリープ切除方法

内視鏡的ポリペクトミー

通常のポリペクトミーでは、高周波電流で焼き切ります。一方、コールドポリペクトミーでは電流を流さずに締め付けて切除します。いずれも、内視鏡の先から出したスネアというワイヤーをポリープの根元で締めて切除します。主に、ポリープの大きさが約5~10mm程のポリープの場合に行われます。当院で行っています。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

ポリープの大きさが約10mm以上のポリープの場合、内視鏡的粘膜切除術(EMR)を用いて切除します。ポリープの皮下に生理食塩水を注入してポリープを持ち上げます。盛り上がったポリープの根元をスネアで締めて、高周波電流を流して焼き切ります。当院で行っています。

内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)

早期がんに有効な治療方法です。内視鏡を用いて切除できるため、開腹を行いません。入院加療する必要がなく、患者さんの負担が少ないとされています。
特に、2006年には早期胃がんに、2008年には早期食道がん、2012年には大腸腺腫・早期大腸がんの治療に、保険が適用されることになりました。この処置は入院で行うため当院では行っておりません。

大腸ポリープは
切除しないといけない?

良性腫瘍である大腸ポリープは、腫瘍性と非腫瘍性とに区別されます。腫瘍性大腸ポリープを切除することで、将来の大腸がんを発症するリスクを約50~70%抑えることが可能とされています。また、大腸ポリープの切除後は、大腸カメラ検査を定期的に受けることが重要です。
当院の大腸カメラ検査では、最新の検査医療機器を導入し、特殊な光によって大腸粘膜の微細な病変まで発見できます。大腸カメラ検査をご希望の方は、当院までお気軽にご相談ください。

大腸ポリープ切除治療における注意点

大腸カメラ検査前の注意

大腸ポリープの有無は、大腸カメラ検査を行ってみないと分かりません。当院では大腸カメラ検査はポリープ切除を想定して実施しております。普段から服薬中の方は、休薬や服薬について事前に担当医師にご相談ください。

大腸ポリープ切除後の注意

ポリペクトミーによる大腸ポリープ切除を行った後は、患部が潰瘍状態となっています。縫合や止血処置を行いますが、術後の出血や穿孔を予防するためには、腹圧のかかる姿勢や運動などを避けてお過ごしください。また、術後の出血や遅発性穿孔を予防するためにも、術後1週間程度は入浴や食事、運動について制限して頂くことがあります。
大腸ポリープ切除後の過ごし方についてご不明な点がありましたら、お問い合わせください。なお、術後の合併症など気になる症状がある場合は、速やかに当院を受診してください。

大腸ポリープ切除後の
食事や生活

食事

切除後数日は、脂っこい食事や香辛料などの刺激物を控えて、消化の良いものをお取りください。

飲酒

切除後当日は禁酒してください。翌日以降に出血がなければ少量の飲酒は可能ですが、術後1週ほどは大量の飲酒はお控えください。

入浴

切除当日の入浴はおやめください。シャワー浴は可能です。翌日以降に出血がなければ湯船に浸かる入浴も可能ですが、長風呂は術後約1週間はお控え下さい。

運動

 

散歩程度の軽い運動でしたら、切除した翌日から行って頂けます。激しい運動は、切除後1週間はお控えください。

腹圧がかかる動作

切除後1週間は、腹圧がかかる動作や姿勢、運動はお控えください。また、重たい荷物を持ったり、強くいきむのも止めてください。

休薬

抗凝固薬や抗血小板薬を服用している方は、休薬が必要です。休薬や服用再開については担当の医師にご相談ください。


文責:さっぽろ白石内科消化器クリニック 院長 高橋祥

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